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「新技術との向き合い方」民報サロン5月10日掲載

昨年、社会人向けの学び直しプログラムである早稲田大学スマートエスイーを修了しました。同プログラムは、早大を中心とする複数の教育機関からIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)について理論から実装までを体系的に学ぶものです。IoTは機器をインターネットなどに接続し、離れたところから状態を見たり、コントロールしたりする技術です。AIは人間の知的活動をコンピュータプログラムで行うことです。今回はIoTやAI技術そのものではなく、スマートエスイーの受講を通じて感じた「新しい技術との向き合い方」について書きたいと思います。


スマートエスイーには以前から関心はあったものの、約半年間、ほぼ毎晩、東京まで通うことは現実的ではなく、受講は無理だと諦めていました。ところが昨年度から全授業がオンライン化され、福島からの参加が可能になったのです。同期は約30人。IoTやAI開発に携わるシステムエンジニアを中心に、起業を志す人などさまざまな背景を持つ人が地方からも集まりました。テレビ会議方式で授業を受けながら、事務局から送られた教材(ケーブル、各種センサー等)を活用し、実製作も行います。受講者は自宅からインターネットを接続し参加しているので、グループディスカッションではお子さんのはしゃぎ声が聞こえてきて場が和んだり、共同課題では深夜につぎつぎ更新されるデータを見て、今、課題に苦しんでいるのは自分だけではないとうれしくなったりもしました。当初こそ、オンライン会議ツールを使った授業には戸惑いましたが、質疑、グループディスカッション、グループ制作と通学するのと変わらない学びを得られたのではと思っています。


今回改めて感じたのは、(IoTやAIを含めて)新しい技術は多くの場合、完全な代替手段になることはなく不完全だということ、そして初期導入には相当な労力を要するということです。たしかに実際に教室に通い、みんなと机を並べ対面で授業を受けられればもっと有意義だったかもしれません。教室を完全に再現できたわけではありません。それでも私のように地方からの参加が可能になったことはとても大きいはずです。この実現のためには、運営事務局の周到な準備があったことも見逃せない側面だと思います。初の完全オンライン。講義の撮影環境を整え、学習キットを受講者の自宅に配送するなど大変なご苦労があったと思います。


私は新しい技術が好きで活用したい派です。新しい技術に完璧を求めたり、適応するための労力を惜しんだりしてしまうと、大きなメリットを得る機会を失ってしまうのではないでしょうか。今回、私たちはコロナ渦という危機に面し、いくつもの障害を飛び越え、新しい技術を使うことを選んだのだと思います。


もう一つオンライン会議ツールに助けられたことがあります。東京で知り合った私の妻は、仕事を続けることを望んでいました。今も都内の会社に勤めたまま、ツールを活用し福島の自宅で仕事をしています。勤務先のご理解や職種に恵まれていたこともありますが、私はオンライン会議ツールのおかげで結婚できたともいえるかもしれません。

福島民報 2022年5月10日 掲載

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